【南相馬小高泉沢キャンプサイト】は、人間のちっぽけさを痛感させてくれるほどのスケールの大きい施設です。大自然の中にぽつんと身を置くことで、日頃の出来事が何か小さなことであったかのようにも思えてきます。ここに行き着くには、車で施設内の私道を登っていきます。そこに別天地が広がります。山のはずなのに、そこに広がる草原は日差しがさんさんと輝き、心地良い風が吹き抜けます。周りを360度木々で囲まれたプライベート空間で、木々の間からはきらめく海が見えます。たまに下のほうから電車のコトコト音がたまに聞こえてきます。常磐線の線路が走っているようです。このあたりには、近くには自然の散策できる林道も広がっています。この一帯には広大な面積の自然林が広がっていて、自然に親しんでワイルドなアクティビティもお楽しみいただけます。自転車があったら最高だと思います。南相馬市小高区は、福島県の東端部、東に太平洋を臨み、西は阿武隈山地の山々に抱かれた、東西12㎞、南北8㎞、総面積91.95㎢を有する田園風景が広がる町です。気候は、東日本特有の海洋性気候で、寒暖の差は比較的少なく、夏は涼しく、冬は降雪の少ない、温暖な気象条件に恵まれています。
そして、この辺りには古くからの伝説があることは有名な話です。700年前にさかのぼる歴史的にも趣深い観光スポットが多数点在しています。「大悲山の石仏」は、【南相馬小高泉沢キャンプサイト】から徒歩数分のところにあります。日本三大摩崖仏の一つに数えられ、東北で最大級の石仏群。薬師堂石仏（やくしどうせきぶつ）・阿弥陀堂石仏（あみだどうせきぶつ）・観音堂石仏（かんのんどうせきぶつ）からなる泉沢にある石仏群は「大悲山の石仏」として親しまれており、大分県臼杵・栃木県大谷とあわせて日本三大磨崖仏（まがいぶつ）と呼ばれています。観音堂石仏は薬師堂石仏より北東のやや奥まった所にある大きな千手観音です。多くの部分が崩れていますが、高さ9メートルほどのもので、石仏としては全国でも最大級に位置づけられます。一つ一つの石仏は、人が見上げるほどの大きさです。これらの石仏が作られた時期や製作者ははっきりしませんが、その表現方法などから平安時代前期と推定されています。これほど古くて大きく、また美術的な価値のある石仏群は他に類を見ないことから国指定の史跡に指定されています。
同じく、南相馬市小高区にある大悲山慈徳寺には、「大悲山の大杉」と呼ばれる巨木があります。この大杉は樹齢約1000年、高さ45m、幹回りの太さは約8mと、浜通りで最も太い杉とされています。県の天然記念物にも指定されており、その威厳ある姿は圧巻です。その巨大な姿と力強さが、訪れる人々に活力と癒しを与えてくれます。さらにこのエリアには、大悲山大蛇物語公園、阿弥陀堂石仏、薬師前ため池、夫婦大蛇沼、鉄の釘跡などの見どころもたくさんもあります。どういった人たちが作り上げたのか、その歴史は不明だそうです。
ただ、このあたりには、「浦尻貝塚」もあることから、縄文時代からここで人々が生活していたことがわかります。「浦尻貝塚」は、福島県南相馬市小高区に所在する縄文時代の貝塚・集落、さらに古墳時代後期の古墳群・平安時代集落・中世豪族居館推定地を含む複合遺跡。このうち縄文時代の遺構は前期から晩期にかけての長期間にわたる集落跡で、面積は7ヘクタールにのぼります。集落は、5700年前～2800年前（縄文時代前期～晩期）の約3000年にもわたる長い期間続いていました。集落には貝塚がともない、住居やお墓、木の実などを蓄えておく穴（貯蔵穴）などが見つかっています。2006年（平成18年）に国の史跡に指定されています。
縄文時代の暮らしは、令和の時代になって見直されるようになっています。持続的社会の１つの教訓として研究が進んでいます。自然と対峙するのではなく、自然に寄り添うことで1万年も続いた円満社会であったとされています。ここで、縄文時代にタイムスリップしたという前提で数日過ごしてみるのはとても面白そうです。現代の文明の利器になるべく頼らないプリミティブな時間を過ごしてみると、きっと今の自分を客観的に見つめなおすことができるだけでなく、心身ともに癒され、忘れかけていた人間本来の能力が開花するかもしれません。大草原の中でポツンと過ごしてみてはいかがですか？写真の道路は、私たちマイキャンプが所有する私道になっているため、公道ではありません。つまり、キャンプサイトの敷地内ですから駐車違反にはなりません。ブッシュクラフトも、ソロキャンプも、ファミリーキャンプも、ここでは何でもできます。写真にはありませんが、森の向こう側には太平洋が広がっています。いい場所です。ぜひ、ステイしてみてください。 |
