都市と森林との比較実験において、どちらがストレスが大きいかを検証しました。ストレスホルモンの代表格である唾液中の「コルチゾール」の量を測定することで、森林浴が私たちの健康にプラスに作用するかという検証結果があります。
◆快適性
温度、湿度、輻射熱、風速、被服量、活動量から測定すると、都市よりも森林の方が温度、湿度、風、輻射熱などの面において、人間が存在するのに快適な空間であることがわかりました。
◆心理的側面
都市と森林それぞれに一定時間滞在することによって比較検証した結果、森林の方が、「緊張」「疲労」の気分が緩和され、「活気」が高まることがわかりました。
◆ストレスホルモンの量
都市と森林との比較実験において、ストレスホルモンの代表格である唾液中の「コルチゾール」の量を測定した結果、都市ではストレスが上昇し、森林ではストレス量が減少しました。
◆自律神経
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経が切り替わる作用をしています。交感神経は何かを成し遂げようとする力むようなタイミングで、交感神経が優位になり、逆にまったりリラックスしている状態では副交感神経が優位になります。森林では都市に比べて交感神経活動が低下し、ストレスが緩和されていることがわかりました。
◆血圧と心拍数
自律神経の働きによって、ヒトはストレスが加わると、血圧が上昇し、心拍数が増加するものですが、この値を比較した場合、森林の方が都市部より数値が低いことから、ヒトは森林で過ごすことでストレスがかかりにくく、リラックス状態でいられることがわかりました。
◆抗がんタンパク質
森で2日間過ごすことで、抗がんタンパク質の量が増加し、がんに対する免疫力が高まったことがわかりました。がんは常に身体の中で生じているものとされています。「できては消える」という免疫サイクルが私たちの身体内で起きています。免疫力が落ちてしまうことで、消えるはずのがんが増殖し、身体を蝕んでいきます。
◆NK細胞
がんの進行を抑制したり、がんを小さくする効果が得られるとされる「NK細胞」が森林で過ごすだけで増加することがわかりました。「NK細胞療法」という治療法がありますが、これは、がんの発生や再発を抑制するための予防にも効果的です。 |