人為に頼らずに存在する物や現象のことを自然と言いますが、私たち人間も人間が作ったものではないから、私たち人間も自然の一部であるということになります。つまり、人間はロボットやアンドロイドではないから、本来は、自然とのつながりの中で生きている存在です。文明の発展とともに、人間たちはおごり、自然と対峙する存在になりつつありますが、それでも、食物連鎖の関係からみてみると、私たち人間が自然の産物であるということがわかります。もちろん、人間だけでなく、すべての生き物は自然の産物であって、例外なくいずれ死んでいく運命にあるわけです。死んでいくというか、もっと正確に言うなら、分子構造が変化して永遠に存在し続ける有機体であるということです。
そもそも「自然って何?」ってことになるわけですが、都会はなるべく変化しないように人為的に作った環境だから人は疲れるわけです。東京都内なんか、もうほとんど自然なんか残っていないわけで、人間は無意識に自然を求めてるから、部屋に観葉植物を置いたり、ベランダにプランターを置いて、有機野菜を育ててみたりする。田舎だって、畑が多くてのどかさを感じる場所だけれど、人為的な区画割りした畑も正確には自然じゃないから、最近は「自然農」が話題になっているわけです。人工ビーチや人工的に植林した林だって、正確には自然じゃない。
近代100年は、世界的にも、人間が自然と対峙した西洋文明が世界中で自然をぶち壊した時代ですが、もともと日本はそうではなかったわけです。東洋思想では、自然と共生することが数千年にわたって行われてきましたし、縄文時代から貝塚を作ってごみはそこにみんなが決まって捨てたわけです。でも、現代では、海にも山にも大量にゴミを捨てる不届きモノが増えて、自然を破壊し続けている。多くの企業は自分たちの利益を追求することしか考えていない。殺虫剤で虫けらを殺しておきながら、自分だけは除草剤や農薬の入っていない食材を探して、長生きしたいと言う。やってることが矛盾だらけの世の中ですね。私たちはそんな時代に生きているわけです。森の澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込んでみてください。森と一体になって溶けてしまうような感覚でしばし過ごしてみてください。自然の産物としての本来の人間として癒されますし、本来の能力も向上します。
⇒PRA(一般社団法人 自然共生社会再生機構)のページ
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